がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 29

こんにちは、トイアンナです。疲れているとき、意識の高い情報を目にするとくらくらしませんか。私なんかは「シンプルで丁寧な暮らし」「オーガニック」「トレンド」なんて単語を見るだけで心がダメージを負います。疲れているとき、努力してワンランク上の暮らしを追い求めるなんて無理。

そんなときは、あえて意識の高い情報をシャットアウトするのが最適です。今回は疲れたとき、すぐに意識を下げられる方法をお伝えします。

憧れ

雑誌ではつい「憧れ」を手にとってしまう

かつて、人がメディアへ触れるときの気分を調べたことがあります。Twitterは意識が低い時や仲のいい友達と交流したいとき、テレビは家のBGM代わりに。こんな風に気分で私たちは気分に合わせて見る媒体を変えていることが分かりました。

そしてあらゆるメディアの中で一番「意識が高いとき」に選ばれているのが雑誌です。人がファッション誌やビジネス誌を買うときは、無意識に「自分が憧れるライフスタイル」の雑誌を選んでいるからです。

たまには下と比較してほっとする

心理学者のフェスティンガーは、人が他人との比較で「私はこんな人間だ」と確認していると唱えました。雑誌を読めば「私は彼のようになりたい」と立ち位置を確認できます。その一方で、高みにいる人間ばかりと比較すると、自分がいつまでも劣っているように思えて自尊心が下がってしまいます。

他人との比較は「自分と同じくらいの人」や「もっとダメな人」との比較でもできます。むしろ心理学的には自分が軽蔑するタイプの人を見つめることで、自尊心が回復することも明らかになっています。ずっと下ばかり見ていては成長できませんが、疲れたときくらい「私はこれよりマシ」と思って安心するのも正常なことです。

もし疲れてきたら、いつも買っている「憧れの雑誌」を1度ストップしましょう。疲れているのに努力する力は残っていないからです。それより自分が「正直ダサい」と思う服のファッション誌を買ってみてください。「ないわ~」と笑っているうちに、元気が戻ってくるかもしれません。

心が回復してきたら、あなたがダサいと思うファッション誌も「趣味の違いね」と思えるはず。それまでは積極的に下を見て、心を休めるのもあなたのためです。自分を大事にするためには「いい人」をちょっと止めて悪どいリラックスを手に入れることも、時には必要です。




トイアンナとは?
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人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、 人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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