がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 22
こんにちは、トイアンナです。映画や美術作品などで世界観に飲み込まれ、現実へ帰ってこれないと思ったことはありますか? あるいは人のささいな言動にグッサリ傷ついて立ち直れなかったことは? もしあなたが当てはまるなら、人より繊細な遺伝子を持っているのかもしれません。


繊細な感受性は遺伝する
アーロンという心理学者によると、アメリカ人の5人に1人はHighly Sensitive Person(HSP/とても繊細な人)だと言われています。日本人から見たらあんなに堂々と振る舞っているアメリカ人ですらそうなのですから、日本ではさらに多いと考えられています。
重要なのは、HSPが遺伝するということ。もしあなたが傷つきやすいと感じているなら、それはあなたのせいではなく、髪質や肌色のように生まれ持った特性かもしれないのです。
さて、HSPの特性として挙げられるのは下記のような振る舞いです。
・ 休日の予定が狂うと動揺してしまう
・ すぐにビクっとする
・ 負かした相手のことを考えてしまうので競争が苦手
・ 誰かが怒っていると自分も不安に飲み込まれてしまう
こういった性質は一見、ネガティブな側面が目立ちます。あなた自身もHSPなら「もっと強く生きたい」と考えたことがあるかもしれません。
繊細さは「強み」になる
しかし、繊細であることは強みでもあります。サービス業で相手の気持ちを察せられないスタッフよりもあなたはお客様から愛されるでしょう。厳しい上司から部下をかばって感謝されるかもしれません。繊細さは人を愛し、守る力でもあるのです。
もしあなたがHSPのような生きづらさを感じているのなら、「私って無駄に気を使っちゃうタイプで」と周囲へそれとなく伝えられるといいでしょう。あなたが繊細なことは付き合いが長い人へならバレていることが多いですから、友人にとってあなたの繊細さは個性として受け入れてもらえるはずです。
その上で自分の傷つきやすさをコントロールするために「切り替えスイッチ」を持っておくといいでしょう。あくまで私の例ですが数独を解く、パズルへ熱中するなど他の分野へ脳を使うと感受性どっぷりの世界から現実へ戻りやすくなります。HSPはあなたの立派な個性。持っている特徴を責めることなく、活かし方を一緒に考えていきましょう。
参考文献:
Elaine N. Aron 『The Highly Sensitive Person in Love』

人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、 人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
トイアンナとは?

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