がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 16
こんにちは、トイアンナです。私はバイセクシュアルで、つまり男性と女性を好きになる人間です。
このことをオープンにしていると、特に初対面の人からは「女性とセックスするのってどんな感じなの?」といったストレートな質問が飛んできます。「それってつまり、私が普段どうやってセックスしてるか知りたいんだよね。じゃああなたは普段、どういうセックスをしているか教えてくれたら話すよ」と答えると、途端に相手もたじろぎます。
差別されると、毎回殴られている気分になる
女性は女性で「ええっ、バイなの?」と言いながら、少しあとずさりします。「女性同士だから性的な目で見られると思ったなら、あなたたちっていつも男性へ発情してるわけ?」と質問すると、これまた相手がたじろぎます。
こんな風にプライバシーへズケズケ入り込まれるのが私の日常です。最近ではオリエンタルラジオさんが「もし男同士で同棲していたら」というテーマで写真集が発売され、撮影された方が「究極の変態」と宣伝していたのを見てぶっ倒れそうになりました。差別されることからは逃げられないし、毎回殴られている気分になります。
差別は無くならないけれど、距離を置くことはできる
はっきり言って、差別をなくすのは途方もなく難しいことです。まず、差別している方に悪気が無い。悪いと思ってやっていることは直せますが「何がいけないの」という人を説得するのは至難のわざ。話しているだけで、こちらが傷つきます。
だからもし可能ならば、差別するような人間と距離を置きましょう。抗議や説得は心身が健康なとき、力があればやればいいのです。自分の周りは、理解のある人だけで固めていいんです。「逃げる」と言う人もいるかもしれませんが、自分へ石を投げてくる人がいたら、その人を避けて通るのは当たり前です。同性愛差別をなくすために戦う「義務」はありません。
まずは仲間を見つけてください。もし学校や職場で孤独を感じているなら、ネットで検索して相談してみましょう。ゲイ・ビアン・バイだからといって全員と分かり合えないとは思います。私たちはそれぞれ違う人間ですし、私だって「バイの代表として」なんて語れません。でも、そうしたらその人と距離を置いていい。同性愛者同士だからといって、これまた仲良くする義務もありません。
自分が仲良くしたい人とだけ仲良くして、抗議や説得は力があるときだけにする、この2つがあなたの心に届くよう願っています。あなたにとって、自分の命より大切なものはこの世にありません。あなたを、守ってください。

人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、 人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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