がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 1


こんにちは、トイアンナです。DVから逃げられない。ブラック企業で追い詰められている。毒親から自立できない。こういったつらさを抱えて生きている人はいらっしゃいませんか。私はこういった方も含め500人以上からお話を伺ってきましたが、1つの共通点がこういった「生きづらさ」を抱える方にあることが判りました。

それは「置かれた場所で咲こうとする」ことです。

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置かれた場所で咲いたほうがいい人もいるけれど……。

渡辺和子さんの著書『置かれた場所で咲きなさい』がベストセラーになり、仕事や結婚相手を次々に変えるのは良くないことだという風潮が広がりました。この書籍は仕事を1週間で辞めてばかりいる、デートする前に「年収が1,000万円ないと」と足きりするような人にとっては「置かれた場所で一度咲く努力をしろ!」と渇を入れる名著でしょう。

しかしその一方で、置かれた場所ですでに咲こうと努力して苦しんでいる人にとっては、さらに傷つきを深める内容といえます。すでに溺れている人にとっては、対岸から石を投げつけるようなもの。こんなに頑張っているのに、これからさらにどうすれば? と不安にかられることとなります。

「逃げ出す」タイミングを掴む1つの質問

ではどういったときには「ぐっと踏ん張る」べきで、どういった場合には「さっさと逃げ出す」ほうがいいのでしょうか。もしこういったシチュエーションに陥ったら、自分へ問いかけてみてください。

「この状態で3年頑張ったら、私は何のプロになれる?」と。

たとえば営業が苦手な新入社員が3年現場で頑張ったら、営業のプロとして10億円の案件を締結できるかもしれません。人と長く付き合えない女性が3年婚活を頑張れば、運命の男性と巡り会えるかも。しかしこれが、DVやパワハラならどうでしょうか。耐え続けたところで、何のスキルも身につきません

それどころか「DVを振るう男に耐えるプロ」「パワハラをぐっと堪えるプロ」という不名誉な経歴を身につけてしまいます。そんなプロになりたくない! と思ったら、今すぐ逃げ出すべきです。

まずは耐えるプロから「逃げるプロ」になろう 

あなたが別れや転職を選ぶことで「逃げた」と言い出す人もいるかもしれません。でも私は、耐えるプロになるくらいなら「逃げるプロ」と呼ばれるほうが幸せだと思っています。耐えるプロは体か心を壊してしまうかもしれませんが、逃げるプロは自分を守れるからです。

「置かれた場所」がどうしてもつらい場所なら、タンポポが綿毛を飛ばすように新天地を探してみませんか。このコラムが思ったよりいろいろな場所であなたが咲けると気付くきっかけになれば嬉しいです。


トイアンナとは?
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人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、 人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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