がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 145
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。
尽くす女性は、どこかで「尽くすことが一番よいことだ」と信じている節があります。
尽くせば愛される。
尽くせば彼は変わってくれる。
尽くせば真意に気づいてくれる。
こういった願いの底にはどこかで「だって、尽くすのは良いことだから」という前提がありませんか。
尽くすことで、彼が変わってくれると思いたいけれど
けれど尽くすことが、むしろ彼を壊してしまうことがあります。
たとえばモラハラの男性は、
「誰のおかげで食っていけると思っているんだ」
「本当にお前はバカだな」といった言葉で女性を追い詰めます。
そしてモラハラにはまっている女性ほど
「彼には私しかいない」「尽くせばいつかきっと彼は変わってくれる」と願いを込め、
彼の言う通りに行動します。
バカと言われたら語学の勉強を始め、料理をけなされては教室に通い……。
けれどそれは、本当に「良いこと」なのでしょうか。
私たちは簡単に彼を壊せる
もしあなたが初期に彼を突き放して
「私は、あなたに傷つけられた。とても悲しい。だからあなたが変わりたいと思わないなら別れるし、変わりたいなら自分を見つめなおして」と言っていたらどうなるでしょうか?
可能性は低いまでも、彼が変わるチャンスも生まれるでしょう。
しかし、あなたが盲目に尽くしていたら、彼は自分が悪いと思いません。
ヘタをすれば「お前をしつけてやっているんだ、悪いのはお前だ」……とすら思うでしょう。
いつか限界がきて、あなたが彼を突き放したとき。
初めて彼は「もしかして悪かったのは俺なのか?」と思います。
しかしそのときあなたは限界に達しているため、彼が行動を直すためのサポートができません。
結果、彼はただ「捨てられた男」になってしまうのです。
次に彼女ができても、彼は同じようにモラハラを続けるでしょう。
だって、何が悪いかも、どうすればいいかも彼は教わらなかったからです。
早めに突き放すことが、愛になることもある
「もうやっていられません、このままでは別れます」
と突き放すことは一見、ドライで冷酷な発言に見えます。
しかし早めに突き放せば彼は「もしかして俺に何か悪いところがあったのでは」と自分を顧みるチャンスが生まれるわけです。
そして早めに彼を突き放せば、あなたにも余力が残っています。
本当の意味で彼の人生が変わるように、尽くすことができるのです。
愛されたいなら、尽くしたいならなおさら……一度「物理的な」距離を置いてみましょう。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
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