がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 127
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。長年生きていくと、人って強くたくましくなっていくもんですよねえ……。

 かつて友達から誕生日会に呼ばれなかっただけで泣いていた私が、いまや新宿駅で人へバンバンぶつかられても無心でいられるようになりました。これは東京で消耗してるだけか。まあ、とはいえぶつかられた体は痛いですよね。

今日はそういう話をします。

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    強い人は、傷つかない人?

「あなたは強いから私とは違う」と、線引きされたことはありませんか。でも本人からしたら、結構傷ついているものなんですよね。私の知り合いに筋トレしている人がいて、外見もマッチョなのでよく重い荷物を任されていました。その人があるとき「持てるけど、重くないわけじゃないんだよね」と漏らしていてはっとしました。筋肉がある人は、重い荷物も軽そうに見える。強い人は、傷つかなさそうに見える。けれどどっちも本当は重かったり、傷ついていて、ただそれを耐えられちゃうだけなんですよね。 


    泣けとは言わないよ。でも傷ついたって言っちゃおうよ

いまさら「泣いてもいいよ」なんて言われても、気持ち悪いでしょう。泣こうとしたって、映画でも見なけりゃ涙が出てこないこともあるでしょう。ただ「涙が出たらそれはそれでいいんだ」「私だって傷ついていいんだ」と、心のロックは解除しておきましょう。マッチョな人が、この荷物重いよ、って言ってもいいように。あなたも、いま傷ついてるよ、つらいよ、って言っていいんです。
たとえあなたが90代のおばあちゃんだって、酸いも甘いも乗り越えてきた戦う女だからって部下が何人いたって、いっちょまえのお母さんだからって、だから何? あなたは傷ついていいんです。傷ついたぞ、つらいぞ!って、声を上げちゃっていいんです。

    どうしても声に出せないときは

それでもこれまで、強い女をやってきたのかもしれない。だからつらくても声にできない、ストレスなんてぐっとこらえる以外にどうしたらいいかわからない。そういう気持ちも出てくると思います。そしたらね、ちょっといけないことをするといいですよ。
ベッドの上でポテチを食べちゃうとか。深夜なのに友達へLINE連投しちゃうとか。そういう、普段なら「ぐっ」とこらえちゃうことをしましょう。大丈夫、友達は寝ていたら起きないし、ポテチが落ちてもシーツはどうにかなるし。そういうちょっと悪いことで、はーっとため息ついて。
寝て起きたら、その日がいい日でありますように。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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