がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 119
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。「恋をしたいのにできないんです」というご相談をいただくことがよくあります。そしてお話をうかがっていると、どうも衣食住が安定していないことが多いのです。仕事がうまくいってなかったり、実家を出るか悩んでいらしたり、金銭的にカツカツで食費どうしようなんて状態だったり。 ハタから見ると「そりゃあ、恋なんてしている余裕ないよね」という状態なのですが、自分事になるとわからなくなっちゃうものです。かくいう私だって、何も偉そうなことは申し上げられません。 彼とキーキー喧嘩して、ふと我に返ってから「そういえば今月、金欠だわ」「そうか、お腹がすいてイライラしてたのか」と気づかされること、多々。恋愛コラムを何年も書いているのに、お恥ずかしい話です。

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婚活>食費になっていた謎の日々

むしろ、特に衣食住で追い詰められているときほど「恋をしなきゃ!」と謎のエンジンがかかるものです。「仕事がうまくいかない。そうだ、婚活しよう!」 「お金がない。そうだ、婚活しよう!」と。いまどき夫婦は共働きが多数はですし、男性の年収だってそう違いはありません。それなのに2人いればなんとかなる気がするのです。 けれど現実には、婚活や恋愛の費用すらしんどくありませんか。入会金、月会費、そしてお食事代に美容代。婚活や恋愛って、お金がかかるのです。私は婚活中、月に8人の新規男性とデートしていました。そして出会う男性とのすったもんだより、出費がつらくてたまりませんでした。 離婚したてで家具の購入などただでさえ出費がかさむのに、さらにデートを重ねて財布はスカスカ。リッチなデート晩御飯と引き換えに、翌朝は100円台のカップ麺。ひいひい言いながら婚活するという、わけのわからない袋小路へ追い詰められていました。 そしてある日、気づいたのです。「カネがないから婚活は中止しよう!」と。それに気づいたのは、残高がヒトケタ万円になったときでした。


恋は人生のオプションです

ですから、賢い読者さんは私のようにならないでほしいのです。「恋をしなきゃ!」「結婚しなきゃ!」と焦っているときほど、目の前の衣食住から目を逸らしていませんか、と。むしろ衣食住がつらいから、目を逸らすために恋愛を模索していませんかと。 恋は人生のオプションです。お金の心配があったり、転職や引っ越しなど安定しない時期には「やらなくていい」「できなくて当たり前」です。無理に自分を駆り立てることなく、そういうときこそゆっくり休みましょう。恋愛なんて、人生にあったらラッキーというものですから。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/