がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 115
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。厳しい環境をやりぬく経験は、力になります。それは誰もが「だろうね」と言いそうですよね。けれど実は「やりとげられなかった」経験も大きな力の元になるのです。
私自身、人生やりとげられなかったことばかりでした。けれどそれがいま、前へ進む大きなエンジンになっていると感じます。

初恋、受験、全部やりとげなかった
私の初恋は12歳のとき。好きな人は女性でした。だから友達以上になることもできませんでした。ここまでは性的マイノリティを言い訳にしていますが、私の性格にも難はあります。
好きなあまり、彼女の気を引きたくてひどい言葉をかけてしまいました。いわゆる「好きだからいじめる」やつです。最低です。愛情表現は絶望的にヘタでした。もちろん振られました。
そして高校受験も、何も考えず低い偏差値の高校を選びました。「大学行きたい、けどどの高校でもどうにかなるっしょ」くらいしか本当に何も考えていなかったので、入学したら茶髪金髪だらけ。「●●へ行くとカツアゲされる」なんて噂を聞きながら「マジかよ」とドン引きしました。
学校が悪かったんじゃありません。なーんにも考えていなかった自分がバカだっただけです。
お尻に火がついてから、人は変われる
でも、いざ自分が予想もしなかった事態になって「やばい」と思ったときこそチャンスでした。初恋で壊滅的な結果を残してからは、きちんと恋愛のステップを踏むことを覚えました。受験で何も考えてなかったこを恥じて、猛烈に勉強しました。
人の助けもたくさんいただいたので「全部自力です」とはとうてい言えませんが、やりとげられない経験から「やばい」と火がついたのは確かです。
一部の立派な人は、自分を追い込まずとも意志の力だけで前へ進むのでしょう。しかし私は凡人です。どこかで失敗して「やばい」と思わないと動けません。そうしてお尻に火がついて、やばいやばいと叫びながら走ってきました。そしたら不思議なことに、いまはこうしてエッセイでご飯を食べています。
やりきれなかった経験は自分を動かすガソリンになる
ですから、いま「失敗したな」「できなかったな」と思っても、大丈夫です。その失敗があなたのガソリンになります。危機感なく成功することなんて、普通の人にはできません。
あなたが天才ならごめんなさい、頑張ってくださいというしかありません。しかしフツーの人であるならばきっとこの気持ち、分かっていただけると思うのです。失敗したら、それをガソリンにして走りましょう。むしろ次に待っているのは、最速で幸せへたどり着くショートカットかもしれませんよ。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
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