がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 113
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。「私が悪いんです」が口ぐせになっている人っていますよね。私のことです。もともと私は凡庸でなんのとりえもないメンヘラでした。自分が悪い、さもなくば相手が100%悪いとどちらかへ責任を負わせたくなるのがメンヘラの生きざまです。

さて、しっかり病んでいなくても、疲れているときや追い詰められているときは「●●のせい」とひとつの原因を探したくなるものです。特に「全部わたしのせい」と考えるのはとても楽です。だって、誰も傷つけないから。私自身、疲れているときは「もう全部わたしのせいでいいから、休ませて。責任は後で取るから」と言いそうになります。

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本当にそれ、あなたのせいなの?

でもこの世に、100%自分のせいなんてことほとんどないんですよね。仕事で自分がキャパオーバーになるのは、それだけの量を押し付けた上司のせいでもあります。それともただ単に繁忙期のせいかもしれません。

仕事ができないのは体調のせいで、「あなた」のせいじゃないかもしれない。体調管理も責任のうちと言う人もいますけれど、そこまで言うなら永遠に生きて仕事してみろってんだ。私は遠慮させていただきます。

子どもが反抗しているのは、単に彼氏とうまくいってないからかもしれない。学校に冷房がなくていらだっているのかも。テスト前だからかも。

好きな人が振り向いてくれないのは、お相手が仕事で忙しくてそれどころじゃないからではありません? 好きな人にも、気になる相手がいたかもしれません。それはもはや運とか縁の話で、誰のせいでもない。

だから疲れたときこそ、自分へ言ってあげてほしいのです。
「本当にそれ、私だけのせいなの?」「なんで私が悪いの?」と。


自分を責める「楽」をしない

自分を責めるのは「楽」なことです。そうすればだれも責めずにすみます。粛々と責任を取ればいい。けれど「私のせいだから」と言い続けることで、あなたは静かに自分を傷つけています。誰も傷つかないなんて嘘です。本当は自傷行為をしているのに、無視しているんです。

自分を責めることで、楽になろうとするのはやめましょう。本当は誰のせいでもないのです。ただの不幸だったり、不運なんです。誰かがしりぬぐいしなくてはならないでしょう。けれどそれは「私のせいじゃないのになあ、もう」と怒りながらやってもいいんです。「私が悪いから、後始末をするのは私だ」というロジックへ逃げないで。ほとんどの不幸は誰も悪くないのです。あなたも、誰かも。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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