がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 112
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。私は完璧主義で、勉強をやるなら1日10時間とことんやる一方、やる気がないときは全く手をつけないため成績が乱高下するタイプでした。「完璧にできないくらいなら、やりたくない」とふり切れていたわけです。
いまでも原稿を書く予定は1時間単位でGoogleカレンダーへ組み込んでいます。自分でもほとんどビョーキだな、と思います。
完璧であることより、大事なことがある
けれど、完璧であることってそこまで大事でしょうか……と、自分のクセを棚上げしてあえて申し上げたいのです。7割くらい部屋が片付いていれば、人を招いてもいいんじゃないか。ちょっと仕事が片付かなくても、本当は明日やれば済むんじゃないか。彼を怒らせてしまっても、それが人間ってものじゃないかと。
完璧主義の人は、人間関係にすら完璧さを求めます。妻として、女として、母として、恋人として完璧でなくてはならない……と、ダイエットを続け、離乳食を全部手作りして、化粧も手を抜かず、空き時間に勉強して。とても立派です。けれど、どこかで「それくらいできないとダメだ」と自分を追い詰めていませんか。
脳内のお姑さんに、休暇をあげましょう
人は、そこまで完璧かどうかをチェックしていません。もちろん自分でもわかっているでしょう。これは自分の中にある完璧さとの闘いだと。けれどそれって、脳内に昭和のお姑さんを飼っているようなものじゃないですか。いまどき、現実のお姑さんだってそこまでひどくありません。
たまには「いいんじゃないの、ルンバで」「冷凍食品ばんざい」「ちょっとくらい食費が赤字でも」と、脳内のお姑さんに休暇をあげてみませんか? いやいや、私は完璧を目指さなくちゃいけないんだ……と否定したくなる気持ちはわかります。完璧に掃除できた部屋は美しいし、きれいに片付いた仕事の後の酒はおいしい。
でもまあ、完璧にできなくったって酒はおいしいですし、1日くらい掃除しなくてもバイオハザードは起きません。逃すと本当に困るのは、真夏の生ごみの日くらいじゃないですか。それだって袋を密閉してしまえば、何とかしのげます。本当にどうにもならないトラブルって、人生でそうないはずなんです。
だから、今日なにかができなくても大丈夫。「なんでこんなこともできないの」と脳内でお姑さんが騒ぎ出したら、「まあまあ、今日はハワイにでも行ってきてください」と休暇を与えましょう。完璧であることより、あなたがリラックスできる方が何倍も大事なんですから。頑張らないことを、頑張ってください。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
コメント