がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 111
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。私はこれまでの経験から毒親、いじめ、レイプなど重い課題に向き合うことが多々あります。そういう話題って、周りからするととてもつらくて、どうして耐えられたのか? という風に見えますよね。私自身も、自分が体験していない種類の不幸をサバイブした人に出会うと、その方の強さに感銘を受けます。

けれどその答えはいつだってシンプルです。自分が正しいと思っている人間は、ストレスを乗り越えられます。逆に自分だけが間違っていると思ったとき、人は崩れてしまうのです。

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自分が悪いと分かっているときこそ、人はつらい

私は小学校のころ転校が多く、「転校生だから」という理由でいじめられたこともありました。けれどそこで何とも思わず教師へ抗議し、校長へ訴えをエスカレートさせました。そこまで継続できたのは「こんなチンケな理由でいじめる相手が悪いんだ」と確信できていたからです。

逆に、私にとってつらかったのは誰もが経験するような失恋でした。好きな子に「気持ち悪い」と拒絶されたのです。とにかく、自分が100%悪いのが分かっていたのがつらかった。成績が落ちたり仕事で失敗したりしても、悪かったのはダラダラしていた自分です。けれど恋愛で自分を否定されるのは性格や根本的な部分。つまり、自分そのものだと感じていました。


自分が100%悪くても、生きていていい

「自分が悪かったんだ、ここも、あそこも」と落ち込む時期をしばらく過ごさなければ、次のステップである「そこさえ直せばいいんだ、次からは気を付けよう」という気持ちへは進めません。人によっては最初の自分を責める時期が年単位で続く方もいるでしょう。

けれどそこで沼にはまって、「私にはこれから恋愛をする資格がない」「もう誰かと付き合うなんて権利はない」「私なんて生きる価値は……」と自己否定のドツボにはまりだしたら要注意。反省から脱線して、自分を責め続けるわなにおちいっています。

たとえ恋愛で自分が100%悪いことをしても、仕事の落ち度があなたのせいでも、これから何かをする資格が失われることはありません。反省はおいおいしていくことになるでしょう。そうしないと、同じ失敗を繰り返すからです。けれどそれはあなたが「次」へいどむ資格を奪うものではありません。 あなたが100%悪くても生きていていい。次へ向けて歩き出していい。それだけを胸に、落ち込む時期をしのいでください。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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