がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 98
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。「●●ちゃんが、あなたのこと嫌いだって」という言葉ってグサリと刺さりますよねえ……。ときおりこうやって、告げ口してくる友人もいるものです。余計なお世話だよ、と思いながらも悪意はないから責められない。そして自分を嫌いらしい誰かのことを考えて悶々としてしまう……。
それって、自然なことです。私たちはもともとネガティブな感情を優先するようにできています。専門用語では「ネガティビティ・バイアス」と言います。1日にひとつずつ「いいこと」と「悪いこと」があったなら、「今日はゆううつな日だった」と悪いように考えてしまうのが私たちなのです。
ネガティブな本能をぶっ飛ばす、よかったこと
なぜ私たちは、ネガティビティ・バイアスなんてやっかいなものを持っているのでしょうか? なぜなら原始時代、楽観的な人間は死んでしまう危険があったからです。「大丈夫だって、冬でもきっと木の実採れるからさ!」 「狩りとかダルイからしなくても平気っしょ!」なんてホモサピエンスが過酷な自然で長生きできるはずがありません。それより「これから狩りができなくても大丈夫なように食料を貯めなくちゃ」なんてネガティブな人間の方が生き延びたのは当然です。
私たちは今でも、原始時代の名残で「ネガティブに考えようとしてしまう」のです。
ということは……「今日は嫌な日だった」と感じても、実はいい日だったのかもしれません。ただ私たちの本能が、よかったことをかき消してしまっているのかも。だったらその良かったことを思い出せさえすれば、今日はプラマイゼロに変わるはずなのです。
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良かったことは、書き出す
しかし、先述のネガティビティ・バイアスのせいで私たちはどんどんマイナス思考へ傾いていきます。ですから良かったことは無理やり覚えておくくらいでちょうどいいのです。今日良かったことは何ですか? この記事を読み終わったら、メモ帳にでも書き出してみてください。今日はなかったら、過去によかったことを思い出してください。
友人がかけてくれた優しい言葉、忘れそうになっていませんか?
あなたに優しくしてくれた親戚はいましたか?
前に付き合っていた人の、手触りを思い出してみませんか?
そうやって意図的に愛された記憶で埋め尽くして、本能をぶっ飛ばしましょう。私たちは過酷な自然を生きた原始時代ではなく、今を生きています。だからネガティブにならなくても、いいんです。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
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