がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 95
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。人生相談をこれまで800件ほどお受けしてまいりました。そして誰もが知りたいのは「こんな自分でも結婚できるのか」という疑問の答えです。特に「私は親類縁者に問題があって」とおっしゃる方ほど、自分には結婚する資格がないと苦しんでいらっしゃいます
家族が統合失調症で……親族に前科持ちがいて……要介護の人がいて。と、どの方も軽々しく扱えない課題を抱えていらっしゃいます。
結婚なんて夢を描く権利もないと思っていた
そかく言う私もいろいろ親族には難あり要素がありました。私自身も性格は悪いうえに外見は手抜きでボサボサなので親のせいにできたクチじゃありませんが……。たとえば母は統合失調型パーソナリティ障害という持病を抱えていると思われます。被害妄想や引きこもりが悪化しやすい統合失調症と違って、放置しても悪化はしないものの「常に被害妄想や幻覚を抱えている」ような状態です。私には姉がいますが、姉も母に耐えかねて10代で家を出てしまい、そのまま実家へ戻りませんでした。
ですから思春期には私と母が1対1で向き合うことになりました。夜中に包丁で刺すか刺されるかの攻防になったり、母から首を絞められたり。私も「お願いだから早く死んで、私の人生を壊さないで」と泣きながら怒鳴る、グチャグチャの人生。生きるか死ぬかの瀬戸際にいた私にとって「結婚したい」という願望を抱くことすらとてつもない夢に思えました。
気にしない人は気にしない、という経験を重ねれば変わる
それから進学し、親と物理的な距離が取れてようやく「うちって家がちょっと難アリでさ」とフラットに語れるようになりました。そして意外と気にしない人がたくさんいることに気づけたのです。「それは大変だったかもしれないけど、あなたはあなたじゃん」と言ってくれる人がいることに。それを知りながら平気でプロポーズしてくる男性もいると。
そしてなんと、私なんかが結婚できてしまった。結婚は家同士のことだから、反対する親族もいるだろうと思いました。現に、それが理由で破談になった過去もあります。けれど「気にしない家庭は気にしないんだ」という事実を知れただけでも、人生が変わりました。
同様の親族を抱えていれば、苦しんだ恋愛もあったでしょう。あなたも破談になったこともあるかもしれません。それでも、あっけないほど「別に関係ないじゃん」と言ってくれる人がこの世にはいます。それを経験して幸せになる権利を実感してもいたい。あなたも、大丈夫だ。幸せになっていいんだと。この記事が、出会いを増やす勇気に繋がれば嬉しいです。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
コメント