がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 85
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。「ネガティブなのは、らしくないよ」「いつも笑顔でいてほしい」と言われるのがしんどいときって、ありませんか。人生山あり谷あり、笑顔でいられない日もあるでしょう。そして、泣きたいときほど、好きな人に頼らせてほしいと願うのは当然のことです。

それなのに、「落ち込んでるなんて、もったいない」「笑顔の方が素敵だよ」と慰められるのは、支えてくれているようでいて、むしろ泣き顔の自分を否定されているのと同じです。

霞草と女性

落ち込んだ日も、あなたは立派だ

そもそも、落ち込むというのは立派なスキルです。この世には「落ち込んじゃだめだ」「逃げたら負けだ」と自分を追い込む人がたくさんいます。無理やり自分を奮い立たせることも一度ならいいですが、ずっとやっていればいつかポキリと折れてしまいます。

DVやかんしゃくといった形で怒りを突然爆発させる人間は、実のところ「落ち込みベタ」なのです。早いうちに泣いたり、愚痴ったりできていれば翌朝にはスッキリできたものを「逃げちゃだめだ」「笑顔でいなくちゃ」と溜め込んで、コントロール不能になってネガティブな感情が暴発してしまう。ずっと笑顔でいるということは、ネガティブな感情を無視することです。

だから、逆に小さなことで落ち込んだり、泣いたりできるあなたは立派です。あなたは溜め込んで爆発しないよう、今のうちに落ち込んでおく重要性をよくわかっています。そして自分にもネガティブな感情があることを早々に認めて、癒そうとしているんです。

「ネガティブになるな」という人を、無視していい

だから「ネガティブになるな」という人の意見は、無視して構いません。そういう人は、ストレスへの対処がヘタなのです。ストレスを溜める人は、どこかで大爆発します。けれど今まで耐えに耐えたので「ここまで怒らせた相手が悪い」と責任をなすりつけがちです。次にそのお相手が怒りを爆発させたら、責任を負わされるのはあなたかもしれません。触らぬ神に祟りなし、です。

あなたはすでに、ネガティブになる重要性を分かっています。好きに落ち込みましょう。友達に頼りましょう。泣いてしまいましょう。3日間は涙が止まらないかもしれない。けれど一週間後には「ああ、こんなに落ち込むのアホらし」と思える瞬間が来るでしょう。下降線が底を打つまで、しっかり落ち込んであげてください。あなたの傷を認め、癒すために。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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