がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 84
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。「こんなにがんばってきたのにどうして?」と泣きたくなることって、人生でありますよね。長年勤めてきた会社で左遷された、尽くしてきたのに振られた……。そしてつらいときほど、「私の何が悪かったんだろう」と自分を責めたくなるものです。
けれどそれって、本当にあなたが何かしたせいでしょうか?
ほとんどの不幸は、誰のせいでもない
人はこれまで起業を何回かやってきましたが、そこで痛感したのは「会社が潰れる理由の大半は景気など自分だけではどうしようもないものばかり」という点です。どんなに社長がひとり頑張っても、リーマン・ショックがもう一度訪れれば会社は簡単に潰れます。
そして人生相談を伺うようになってから数年、人間関係でも「片方が悪い」と断言できたことはほぼありません。忙しい時期がカップルで重なってすれ違ってしまった、病気でお互いをケアする余裕がなかった……など、ほとんどの不幸は「誰のせいでもない」ことから生まれます。
対策を取れるのは、自分が元気なときだけ
「不幸なことが起きても、自分なりに対策は取れたはずだ」という言葉もあるでしょう。けれど、冷静に状況を判断して最善策を取れるのは心と体が健康なとき、さらには経済的に安定している時期だけです。ほとんどの人は、不幸にあえぐとき心か体、経済状況がネガティブな方向へ傾いています。
「明日のご飯代も不安なのに、恋愛がうまくいくわけない」
「体調が悪いんだから、ネガティブに考えてしまうのは当たり前」
こうやって羅列されると、ご覧になっているあなたも「そりゃそうだ」と思いませんか。けれど自分ごとになるとつい「私が悪かったんじゃないか」と思いたくなるものです。
まずは自分を元気にしよう
もし「もっとうまくやれたんじゃないか」と信じたいなら……。何よりもまず、あなたを元気にしてあげましょう。少しでも体がリラックスできるよう、湯船に浸かってぐっすり眠れる日を作る。経済状況が不安なら、人間関係のトラブルを一度保留して副業で数万円稼いで安心する。
まずは「苦痛の一番大きい部分」だけに集中して、ケアすればいいのです。病気なのに家族との関係も完璧で、仕事がうまくいくだなんて美談はよそ様にまかせておきましょう。あなたは、自分が元気になれるよう労われば100点です。これまで苦労してきましたよね。もう大丈夫です。頑張っても報われないのは、大抵あなたのせいじゃないんですから。今日はよく眠れますよう、祈っています。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
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