がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 81
著/トイアンナ
こんにちは、トイアンナです。あなたの中にある「結婚しなきゃ」という気持ちには、どこまで「お母さんを安心させたい」感情も混ざっているでしょうか?
これまで受験、進学、就職と親の意見を聞いてきた「いい子」ほど、結婚でもそのまま親の意向を反映しがちです。悪いことではありません。親御さんが強固に反対する方なら結婚の手続きもスムーズにはいかないでしょうし、「反対されたから親を結婚式に呼ばない」なんて強硬手段を取れる家庭は、そこまで多くないでしょう。
自分の好みが、わからなくなっていませんか
ある方が、婚活がうまくいかないとご相談くださりました。お話を伺って5分、すぐに違和感を抱きました。主語に「ママ」が多すぎるのです。
「ママがそろそろ結婚しないと行き遅れになるって……ママの好きなタイプは体育会系の商社マンか医者で……ママが結婚相談所を使いなさいっていうからとりあえず登録してみたんですけど……」
思わず「あなたは、どうしたいんですか?」と質問させていただくと口ごもり「ママを安心させたい」とつぶやきました。ご本人は結婚したいかどうかすら、自分の気持ちがわかっていなかったのです。過保護な親のもとで育つと、自分の意見を持っても無視されるからでしょう。バッサリ申し上げますが、その親は異常です。
自分の好みを、文字に書き起こしてみよう
そもそも親のいうことを素直に聞いてきた方は「自分の好み」があいまいとしていることも珍しくありません。親が指図をしたことに従うなら、意見を持つ必要なんてないからです。親がくれた服を来て、「彼ならいいわよ、付き合いなさいよ」と親に承認された相手とだけ付き合い、そのまま結婚する。
それでうまくいく人もいます。ちょっと昔にさかのぼれば「親の決めた相手と結婚する」方がスタンダードでした。けれど自分で決断しない結婚は、いざ失敗しても離婚すら決めきれず苦しむことになります。「あれだけ私が信頼している親が選んだ相手なんだから、結婚が失敗しているはずがない。私が悪いんだ。私さえ耐えればいいんだ」と自分を責めてしまうからです。
けれど結婚に「絶対幸せになれる」相手などいません。自分も彼も変わっていきますから、今は最適な相手が、10年後はそうかもわからない。ママはあなたの代わりに結婚できません。これまで自分の意見を持たなかった、キツくいうなら過保護によって持つことを許されなかったあなたも自立すべきときが来たのです。
まずは「自分の意見を持つ」練習をするために、彼へ望む条件をリストアップしてみましょう。書いてから「ママ」が好きな条件を除外してみてください。そこに残ったものが、あなたの意志です。いつか失敗しても「これが私の決めたことだから」と言える大人になるために……。まずはあなたの意思を見つけてください。
トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/
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