がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 80
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。生きることは、傷つくことです。「お前、面の皮何センチあるの?」と言われてもしょうがない厚顔無恥な私もまた、些細な一言で傷つき、そして傷つけています。たとえば自分だけ誘われなかった結婚式だったり、彼がデートより仕事を優先したことだったり。相手の気持ちもわかるし泣きわめくような大人じゃないけど、ささくれる心は無視できません。

感傷に引き込まれる女性

傷つくほど、いろいろなものを愛してきた

ある女性が「友達の些細な言葉に傷ついてしまう」と悩んでいました。誕生日にプレゼントをもらえなかった、ごはんの予定をドタキャンされたといった行為にいちいちグサリと傷ついて、その日は寝込んでしまうのだそうです。彼女は一見、ワガママな女性だと誤解されるかもしれません。しかし話を聞いてみると、彼女こそ友達の誕生日を暗記し、サプライズプレゼントをあげるような愛に溢れる人だったのです。

彼女と同じように、たくさん傷つくのはあなたがそれだけ誰かを愛してきたからではないでしょうか。どうでもいい相手から罵倒されたって「なんだこいつ」と捨て置けるはずなのに、あなたは相手の「返ってこなかった愛」に傷ついた。それは普段からあなたがたくさんの人を愛してきたからです。

だから、些細なことに傷つく自分を責めなくても大丈夫。「私のおかげで、世界には優しさの総量が増えたんだ」くらいに胸を張ってもいいんです。

「愛しているから、私のことも愛して」ってもっと言って大丈夫

そして、傷つきやすい方ほど「私は愛されなくてもいい」「みんなが幸せなら私も幸せ」と協調性を発揮しがちです。けれど本当は愛したぶんと同じくらい、愛されたくて傷ついてきたはず。

その感情はもっとストレートに叫んでも大丈夫。
「はい、これ誕生日プレゼント。お返しは10倍予算でよろしくね(笑)」
「今傷ついてるから優しく共感して~」

など、ワガママって直球で投げられると、ワガママに聞こえないものです。「あの時実はこうしてほしかった」「なぜこんなに尽くしても報われないの」と傷つきを経験したくないなら、思い切ってやってほしいことを事前に伝えてみてください。あなたに感謝しているひとはたくさんいるはず。

だからもっと手を伸ばしてみてください。みんながあなたの望みに気づけるように。これからはどうか、傷つく前にあなたの愛が報われますよう。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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