がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 79
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。私は実家が代々スピリチュアルな家系なこともあり、占いをする親族も、そしてそれを受けにいらっしゃる方もたくさん拝見してまいりました。その中で分かったことですが、占いユーザーは「上手に付き合って、人生を好転する道具にできている」方と、「占いに振り回されている」タイプに分かれます。

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占いに振り回されるのは、自分の意見を抑圧しているから

占いはあなたの未来を示す道具ではありますが、絶対正義ではありません。どんなに精度の高い占い師でも外すときは外します。むしろ「絶対当たる」なんて自称するのは危ない人です。

けれど占い師の言ったこと、時には言ってすらいないことすら「こう言われたから!」と信じ込んで振り回される方がいます。そういった人に共通するのは、自分の意見を「なかったこと」として、抑圧してしまう点です。

誰しも物心つく年齢になれば、欲望を抱くようになります。「アイス食べたい」「宿題やりたくない」といったストレートな欲望を抱いては、叱られたり認められたりして感情の出し方を学んでいくのです。ところが過剰に空気を読んでしまう、いわゆる「いい子」ほど、欲望を抑圧しがちです。自分が欲しいご飯を注文するときですら、親の顔色を窺っていたような方ほど、自分の意見を「なかったこと」としているのです。

占い師は、あなたの親にはなれない

多くの方は、人生の大事な局面で「何をやりたいか」を最優先します。しかし前述のようなタイプは自分を抑圧するクセがついているため何をしたいか、聞かれても自分ではわからないのです。けれど何もかもを親に決めてもらうわけにはいかない……そこで占い師の意見を聞き、従おうとします。

ところが占い師の意見は常にあなたの欲望と合致するわけではありません。抑圧したところであなたの「やりたいこと」は消えませんから、無意識に「自分の欲望と同じアドバイスをしてくれる占い師」を求めて占い巡りをしてしまうのです。

もしこれをご覧になってギクリとするなら、次からは占い師の言葉を親からではなく「友人」からのコメントとして考えてみましょう。友人だから、あなたへ間違ったことを言うかもしれません。けれど視野が狭くなっているときは、第三者の意見が冷静さを教えてくれます。「このアドバイスは合理的だから聞いておこう」 「でもこの占い結果はまだわからないから保留しよう」など、友達の意見を取捨選択するときのように距離をおくことで、上手に占いを使いこなしてください。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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