がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 73
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。私は普段からノロケをSNSへ書きまくりますし、友達へもダダもれです。間違いなく世界で1番夫のことが好きですし、いまのところ冷める気配もありません。一方で、不満がゼロとは言いません。不満の原因が夫にあるならまだしも、自分のエゴとしか言いようのない身勝手な感情も含まれています。

砂浜に「LOVE」を書く女の子

愛しているからって、なんでも許せるわけじゃない

そういったとき、「彼のことを愛しているのに、こんな醜い感情を抱くなんて」と抑圧してしまう方は少なくありません。仮に思いのたけを友達へグチったとしても「それは〇〇ちゃんが悪いよ」「でも、彼っていい人じゃん。あんな人と付き合えて羨ましいよ」と封じ込められるのが関の山です。普段あなたと彼の仲がよいことを知っている友人から見れば、あなたの不満はグチを装ったノロケにしか聞こえないでしょう。もしくは実は不仲なのか……と誤解を招くのがオチです。

けれど愛さえあれば、なんでも許せるわけじゃありません。私がフリフリピンクが大好きだったとしても、夫はシックな無地が好きかもしれない。そんな2人が一緒に暮らせば、インテリアで大ゲンカになるのは必至です。双方悪くなかったとしても「もっと譲歩してくれたっていいのに」「私の気持ち、考えてよ」と不満を抱くのは当たり前です。

むしろ、「愛しているから何でも許せる」って、言葉に出すと怖くありませんか。愛しているから全額貢げる、愛しているから殴られてもいい、愛しているから服は全部彼に合わせる……ちょっとホラーじみてきました。けれど「愛さえあればXXできるでしょ」というプレッシャーは、そこかしこにあります。すべての不満をため込んだ先にあるのは、失望しつくしてからの熟年離婚かもしれません。

不満があってなお一緒にいるのも「愛」

むしろ、「不満があるのに一緒にいたいと思えるほど、私は彼を愛しているんだ」と考えてみましょう。許せないところはたくさんある、私も妥協したくない。けれども彼と別れる方向には考えられない。それは立派な愛情です。

不満をため込んでもつらくなるので、どんどん発散していきましょう。「愛情あってこその不満なんだけど」と枕詞を置いてから友達へ相談してもいいですし、彼と対話してもいい。「愛する人と一緒にいるために」不満を無視せず、どんどん吐き出していってください。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/