第18回 ぱぷりこの勝手に応援所-不倫のお悩み-

今回も元気に勝手にご相談を応援します、ぱぷりこです。応援するのは30代女性の青空さん不倫清算のお悩みです。

・数か月前、2年ほど不倫していた彼と別れた。
・彼はもともと友人で、数年前にでき婚した。嫁も知っている。
・去年の秋頃に「終わりにしよう」と言われたが、数か月経ってまた連絡が来たので会っていた。
・ただし会うのは30分程度。頻度は週1。
・また突然「仕事が忙しくなるから終わりにしよう」とメールで言われた。
・何かあると思ったが、思いを伝えて円満に別れた。
・しかし、数日後に嫁との間に新しく子供ができていたことをSNSで知る。
・本人の口から聞いてはいなかったが、様子が変わったのでまさかとは思っていた。
・彼から子供を望んでいたようには見えなかった。子供を作ったのは、嫁の作戦なのでは。
・大事なことはいつも言わない人だった。彼は昔から、想いがあると大事なことは言えなった
・ちゃんと話ができなかった分、彼の気持ちも知りたかったと毎日葛藤している。
・なぜ、彼は最後まで言えなかったのか?
・自分のことをどう想っていたのか?

数ヶ月前、2年不倫していた彼とお別れしました。彼とは元々友人で、数年前に突然でき婚。その相手も知っている人です。それからは会うこともなかったのですが、2年半前に再会しました

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円満に別れることができたのはすばらしい。しかしかなり「美化」モードが入っていますね。彼は、青空さんが思っているほど「君が大事だから何も言えなかった…」というようなハードボイルドな人ではないと思われます。

ただ、人間は過去を清算するために「自分が納得できる物語」を必要とします。青空さんは少なくとも復縁を望んでいるわけではなく「あの人の気持ちが知りたかった」と望んでいる。この前向きな姿勢を応援しまっす!

大事だから言えなかった…というストーリーが欲しい

最初に「過去の改ざんと美化」について考えましょう。青空さんは「あの人は想いがあると大事なことは言えない」とおっしゃっており、ここから「自分はあの人に想われていた、ゆえに大事なことを言われなかった」と納得しようとしている様子が見てとれます。

ですが、この「相手に想われている」を補強するデータが見つかりません。あるのはむしろ、「大事にされていない」事実ばかりです。

突然、終わりにしようと言われる
会うのは30分程度
2回目は会わずに「終わりにしよう」と言われる

どれも、相手に時間と手間を割きたくない、という思いが見える行動です。また、一応子供ができたことで「不倫をやめよう」と思って行動する力はそこそこあるのですが、初回は別れきれずに戻るなど、意思の弱いところが見られます。また、子供ができたことで不倫解消をする男性の多くは「やっぱり家庭が大事」と思ってやめるので、ここでも青空さんは嫁・家族と比べて下位に位置づけられています。

これらの事実を書きながらも最終的に青空さんは「自分はあの人に想われていた、ゆえに大事なことを言われなかった」と思いたがっているように見えます。

人は前を向くために「納得できる物語」を必要とする

もし、これが「あの人に想われているから復縁したい!」というなら「目を覚ませ!!!」と全力でインターネットの肩をガタガタ震わせるところですが、青空さんは復縁を望んでいません。この場合、ある程度は「自分が納得できる物語を用意する」こともしょうがないかな、と思います。

というのも、さっさと納得しないと、いつまでも過去にひきずられて前を向けないからです。過去への執着は、これからある出会いを逃すという大きな機会損失につながるからです。

もともと人間は驚くほど過去のことを覚えていない生き物だからです。心理学者のエリザベス・ロフタスによれば、人間はかなり「偽りの記憶」を本当のことだと思い込んで生きています。どれほど衝撃だったことでも、自分の中で物語を書き換え、記憶を塗り替え、しかもそれが「本当のことだ」と思い込んでいます。

人間は過去を塗り替える。これは努力でどうにかなるものではありません。ならば、それが未来のためになるなら、「納得できる物語」を自分で作るのはある程度はやむなしかな、と思います。

美化をやりすぎると「記憶整形妖怪」になる

ただし、これを本気で「そうだった!」と思い込むと、激しい認知の歪みを起こすので、やはり不都合な事実は事実として認識しておいた方がいいです。彼はコストを青空さんにかけていなかった、という不都合な話を踏まえることが前提です。

記憶の美化をやりすぎると、激しい認知の歪みを引き起こします。青空さんは、「嫁の策略」というあたりでもろダークフォースに飲まれていますが、これは嫁の策略というより、むしろ彼の無計画ゆえのことでしょう。でき婚、不倫、不倫をやめる、でも再開する、という行動を繰り返す男性は「無計画」だからそうなるのです。

彼はピュア、自分もピュア、嫁だけ真っ黒、はフェアではありません。彼の態度という事実、自分がちゃんと聞けなかったという事実があるのだから、そこを無視してはいけません。記憶の美化をやりすぎると「記憶整形妖怪」になります。見た目はきれいそうに繕っているけれど化け物のように見える。そんな風になってはいけません。

結論。自分の物語の穴を自覚し、事実を受け入れよう

「彼は自分のことを想ってくれていた、だから言えなかった」で納得できるならそれを信じればいいですが、どうも納得できていないようなので(穴がありますからしょうがない)、別の方法を考えた方がいいでしょう。「なぜ彼は最後まで言えなかったのか?」という問いは、彼以外に答えを持つ人はいません。本人に聞くか、答えを諦めるか、どちらか選択しましょう。

どちらにせよ、別れて数か月とのことなので、今もまだ混乱している時だと思います。なのでゆっくり休んで現実を受け入れられるよう、足元を安定させましょう。今度また新しい人に出会えたら「前は聞けなかったから今度はちゃんと聞く」とこの痛みを生かせばいいのではないでしょうか。ぱぷりこでした。

数ヶ月前、2年不倫していた彼とお別れしました。彼とは元々友人で、数年前に突然でき婚。その相手も知っている人です。それからは会うこともなかったのですが、2年半前に再会しました


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ぱぷりこ
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恋愛ブログ『妖怪男ウォッチ』の中の人。妖怪男女にやたら遭遇するアラサー撒き餌女子。女子会では「ぱぷりこは私の占い師☆」という評価を得ることが多い。
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