がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 59
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。恋愛の苦しみはいろいろあれど、慢性的にジクジク痛む苦しみに「別れたくても別れられない」悩みがあります。この連載をご覧になっている淑女の皆様は心の優しい方が多いので、ひどいことをされてもつい、こんな風に考えてしまうんじゃないでしょうか。

「あの人も悪意があってしてきたわけじゃないし……」
「後で謝ってくれたから、許すべきだなって」
「ああいうことをしてしまうくらい酷い目にあってきたんだから仕方ない」
「これから変わってくれればいいかなって……」と。

☓と表現する手

人が変わるのは、捨てられる危機感を抱いたときだけ

真っ向から切りかかって申し訳ございませんが、こういった優しさはあなたの苦しみを長引かせるだけで、相手のためになりません。人が成長する、変わるときはほとんど「自分が大事なものを失う危機に面したとき」です。あなたという大事な相手を失うことで変わろうと決心する可能性こそあれど、ズルズル付き合い続けて変わるパートナーの話は人生相談をいただいて早700人近く、聞いたことがございません。

だからと言って相手を許し続けるクセがついた人にとって、いきなり縁切りするのは難しいものです。「わかりました!じゃあ前からうっ憤が溜まっていたあの子と絶縁してきます!」なんて颯爽と言えたらすがすがしいですが、危機感を抱かない限り変われないのは優しさを振りまいているこちらも同じです。

これから出会う人には「線引き」をしておこう

ですから、これまでズルズル付き合ってきた人との縁切りを一度保留しましょう。それはゲームで言うところのラストステージ。最後にメスを入れるべき人間関係です。それよりは未来の防衛策として「これから出会う人に〇〇をされたら、付き合うのをやめる」という線引きを決めておきましょう。

たとえば、これから出会う人に……
・ 約束をすっぽかされたら友達をやめる
・ 他の人と出会うためのダシにされたらお付き合いをやめる
・ 私への人格攻撃をしてきたら関係を絶つ
・ こちらが返信する前に何度もLINEする人の返事は無視する
など、あらかじめ「こんな失礼なことをされたら、もう付き合うのはやめる」ルールを定めればよいのです。

これまでの人間関係を振り返るのは、つらく痛みをともないます。それよりも「これからの線引き」を意識することで、まずは自分を傷つけない人間関係の作り方を学び、それから改めて「腐れ縁」を整理してはいかがでしょうか。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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