第17回 ぱぷりこの勝手に応援所-仕事のお悩み-

もうすぐ3月、1つの年度が終わる時期がやってきます。この頃になると、一区切りをつけて新しいステージのことを考えるもの。今回応援するのは、30代女性ミニーさんの「就職・転職」についてのご相談です。

・非常勤で働いているが、来年の3月で更新の時期になる
・それまでに進路を決めたい
・教員か事務、もしくは臨床心理士の資格を取るために大学院へ行き、産業カウンセラーになることを考えている
・しかし、これから大学院へ行って、婚期を逃すのも嫌だ
・将来に進むべき道はどこにあるのか
・一番の夢は結婚して、家庭を持つこと
・家事との両立も考えなければいけない。専業主婦も夢ではある

将来、仕事においてどの道を選ぶか悩んでいます。今は非常勤で働いているのですが、来年の3月で更新の時期にさしかかります。それまでに進路を決めたいのですが

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新しいことに挑戦したいという気持ち、すごくいい!でもなぜキャリアの話が途中から結婚、さらには専業主婦の話になってるの???「新しい仕事をしたい」から始まり「仕事をやめたい」で終わるこのご相談、東京駅に行こうとしていたら道に迷っていて大阪についていた、ぐらいの途方もない迷いの霊圧を感じます。

荒ぶるマルチタスクのポーズを取りたくなるぐらい、悪い意味でマルチタスクのご相談だと思います。ミニーさん自身、何が悩みなのかがわかっていないから、毎日ものすごく悩んでるのに解決策が見つからないんじゃないでしょうか

「婚期を逃しそうだから」という理由でキャリアを選ぶと、両方とも失敗する可能性が高いです。やめましょう。キャリアはキャリア、婚活は婚活で考えた方が成功しやすいです。レッツ整理!

女性が陥りがちな「問題の焦点が見つからない悩み」

人間は「一度に1つのことしかできないシングルタスク脳の人」「同時にいろいろなことができるマルチタスク脳の人」がいます。マルチタスクタイプは、テレビを見ながらおしゃべりをしてごはんを作る、というような「同時並行処理」が得意で、女性に割と多い。

マルチタスク脳は「同時にいろいろなことを考えられる」というメリットはありますが、デメリットもあります。それが今回の相談のように「問題Aのことを考えていたはずなのに問題B、問題Cのことも同時に考えてしまって、収拾がつかなくなる」ことです。

この状態の問題点は、「問題を同時に思いついて処理しようとするけど、問題への解決策はそれぞれが個別にあるため、同時に考えられない」ことです。つまり、解決策が見つからないんですね。

これ、ものすごーく女性の相談に多い。いや、わかる。女性にとってキャリア・結婚・出産は地続きなので、一緒に考えざるをえないのもわかる。でも、それをやりすぎると「私はなぜ生き、なぜ死ぬのか」という哲学命題に向かっちゃうからいったんストップ!

問題は、自分が扱えるサイズにまで切り分けよう

問題を一気に洗い出すのはいい。でも、いったん吐き出したら、問題を切り分けましょう。

私たち人類は豚の丸焼きを丸ごと飲み込めませんから、切り分けて一口サイズにする必要があります(「いや私はブタ丸飲みいける!完飲!」というウワバミ女子はしばしご沈黙のご協力をお願いします)。問題も同じで、対処できるレベルにまで切り分けなければ、対処ができません。ミニーさんは、豚の丸焼きを丸飲みしようとして「ふええ大きい…できない…」となってる状態です。無理無理。

ミニーさんの場合、「キャリアの問題」と「結婚の問題」については分けて考えましょう。キャリアの最終解決策は「どの職を選ぶか」だし、結婚の最終解決策は「結婚するのかしないのか、誰を選ぶか」です。解決策が別なら、別に考えるべき。悪魔合体、ダメ絶対。

現実と妄想の区別をつけよう

ミニーさんは「キャリア」と「結婚」の問題を同時に考えていますが、両者には大きな隔たりがあります。キャリアは「現実」から地続きの話ですが、結婚に関しては「妄想」の域を出ていません。

具体的な恋人の話が出てきていないあたり、ミニーさんは相手がいない状態と思われます。なのにいきなり「結婚」「専業主婦」ってあまりに話が飛びすぎです。キャリアでいうなら、まだ転職先に受かってもいないのに「あの会社で昇格したら新しいマンションを買おう」と言ってるのとほぼ同じです。その前に転職先に受かろう!会社で昇進することを考える前に、まず仕事を覚えられるかの心配をしよう!となりますよね。あと、大学院に行ったからといって、婚期を逃すことにはつながりません。ここは思い込みだと思います。仕事をしてても大学院に行ってても、結婚する人はするし、しない人はしません。

一言で言えば、ミニーさんが考える「結婚の心配」は、現実から乖離しすぎた「妄想」のレベルです。キャリアの話が具体的な職種の話が出ているのに、結婚の話は絵に描いた餅ファンタジーです。レベルが違う話を一緒に考えるべきではありません

問題は「現実的で効果がすぐ出るもの」から片付けるのが基本

ミニーさんは2つの悩みを同時に考えていましたが、両者のレベルは大きく違います

転職の悩み:具体的、現在からの地続き
結婚の悩み:抽象的、現実と繋がっていない

この場合、先に手をつけるべきは「具体的」な転職の悩みの方です。なぜなら、より現実に近くて効果がすぐに出るものを片付けた方が、問題が2つから1つに減るからです。そうすれば、1つの問題解決に全リソースをぶっこめます。思考のリソース配分が命運を分けること、結構あります。

結論:優先順位をつけて1つずつ片付けるべし

基本はこのスタンスでいく方がいいのですが、「どうしても自分が譲れない」という優先順位がある場合は、この限りではありません。「結婚>>>キャリア」なら、結婚を先に手をつけましょう。「結婚=キャリア」と同レベルの優先順位なら、先に片付けられるキャリアから。

頭が沸騰するぐらい悩むというなら、2つの問題処理はオーバーキャパなのです。ならば、どちらかを先にやりましょう。二兎を追うものは一兎も得ず!ぱぷりこでした。

将来、仕事においてどの道を選ぶか悩んでいます。今は非常勤で働いているのですが、来年の3月で更新の時期にさしかかります。それまでに進路を決めたいのですが


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ぱぷりこ
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恋愛ブログ『妖怪男ウォッチ』の中の人。妖怪男女にやたら遭遇するアラサー撒き餌女子。女子会では「ぱぷりこは私の占い師☆」という評価を得ることが多い。
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