がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 58
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。婚活のご相談では「相手へ求める条件を考えて」「スケジュールを立てて動こう」など冷静なアドバイスをさせていただくことが多いのですが、一方で恋する気持ちは、そんな冷静になれないよねと思っています。

どんなに結婚へ不向きと分かっていても、コミュニケーション能力はめちゃくちゃ高いけれど女遊びが激しい高収入の男性ばかり好きになることもあるでしょう。長い結婚生活に関係ないと分かっていてもイケメンじゃなきゃムリってこともあります。私も無職男性を養うのが好きという不治の病を抱えているので、結婚向きじゃない人を好きになる気持ち、わかる、わかりますよ……!

恋に落ちる相手は、自分を幸せにしてくれないかもしれない。その上でどう振る舞うかが、大人と子供の恋を分けます。

ハートにキスする女の子

そこで覚悟を決めず恋に引きずられるのがお子さまです

まずは「お子さまの恋愛」を考えてみましょう。例えばあなたがコミュ力抜群、学校のクラスで人気者になっていそうなタイプが好きだとします。しかし付き合ってすぐに彼がモラハラ野郎だと判明しました。「何で俺好みじゃない服着てるわけ?」「忙しいときに連絡してくる重い女とかいらない」といったグサグサ刺さる発言に、あなたは傷つきます。友達も「その彼はヤバい、すぐ別れろ」と忠告してくれました。

そこで「別れよう、次こそ言わなきゃ……でも会ったら好き、抱きしめられたらもう何も言えなくなっちゃった。後で別れ話をLINEしたけど、その話題はスルーされちゃったし、やっぱり大事な話は会ってしたいし」と悩みつづけて周囲をうんざりさせ、いつしか友人まで失うのが「お子さまの恋」です。

大人の恋は、腹をくくって飛び込むもんだ

では、大人ならどうするでしょうか? 冷静になって「やっぱり私はいい人と結婚したいから」と手放すのが大人……に見えますが違います。むしろ「私は冷静に考えてる! 結婚はちゃんと真面目な人とするから!」と理性で抑え込もうとすればするほど、本能は暴走しやすくなるもの。

大人の恋は、自分の本能は完全にコントロールできないと理解することから始まります。どんな相手でも好きになっちゃったんだからしかたない。その上で、周囲へも「私、今の恋が無謀だって分かってる。傷つくことも。でも好きだから腹くくってやってきます」と宣言してしまいましょう。それでも離れていく友達はいるかもしれません。それも覚悟を決めて恋しましょう。欲望に振り回されるダメな自分も含めて、世界で一番大事なあなたの個性なのですから。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/