がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 55
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。私は仕事を人に任せるのがヘタで、何でも自分で片づけようとしてしまいます。家庭でもそれは同じ。彼が動き出す前につい家中の掃除、洗濯と一通りやってしまい「私ばかり家事をやってる」と思うことだってあります。

そんな中、2週間ほど出張で家を空けました。彼はフルタイム勤務でゴミ捨てもままならないはず。出張から帰ったらさぞ家は荒れているだろうと思いきや、部屋はすっきり片付いていました。

「私がいなきゃ家は回らないって思ってたのは、私だけだったんだなあ」彼へ感謝すると共に、ひとつ思い当たりました。

「もしかして、回ってなかったのは私では?」

恋愛の価値観

私がいないと回らない、は投影かもしれない

人には、自分ができていないことを認めたくないとき、代わりに「あの人は全然できてない」と他人にすり替えて批判したくなる心の動きがあります。心理学の用語で「投影」と言って、ストレスを受けたときうっかりやってしまう行動の一つです。

よく「あの人は自分に嫉妬している」と悪口をいう人ほど嫉妬深かったりはしないでしょうか。あるいは「最近の若者はマナーがなってない」と怒る先輩ほど、店員に横柄だったりすることは? 心の底では「本当にできていないは自分だ」と思っているからこそ、不安になって他人をけなしたくなるものです。

私は仕事が忙しかったころ、夫と大喧嘩する夢をみたことがあります。夢で夫は「こんな冷凍肉ばっかりの飯はたくさんだ!」と冷凍庫の肉をぶちまけてきたのですが、それはまさに私の気持ちでした。仕事が忙しくて新鮮な材料を賞味期限内に調理する余裕がなく「家事が回らない」とイライラしていたのです。

夢で私はそのストレスを夫に投影し、夫の口から語らせていました。同じように「私がいないと全然回らない」とあなたが感じるときは、自分の姿を誰かへ投影してしまっているのかもしれません。本当は自分がいっぱいいっぱいなのに、それを認めるのが怖いのではないでしょうか。

回らないときは思い切って、自分のケアをする

「こんなに愛しているのに何で察してくれないの」
「私は頑張ってるのに周りが全然なってない」

こういうメンタリティに陥ったときは、一度「もしかして、つらいのは私では?」と問いかけてみてください。もしかすると足りないのは、自分の食事や睡眠かもしれません。

責任感の強い人ほど自分の疲れには鈍感です。「私がいないと回らない」と思い始めたときこそ、実は「もっと自分をケアしてほしい」と心が発する休みのサイン。時には思い切って手放してみてください。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
http://toianna.hatenablog.com/