がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 51
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。職業柄、婚活を扱った本やブログは並みならぬ数を呼んでいます。もはや婚活エッセイマニアと読んでいただいて構いません。特に書籍化したものは成婚してハッピーエンド☆な内容が多く、途中の展開にハラハラしても恋愛ドラマのように「最後はきっと幸せになる」と信じて読み進めることができます。

が、婚活エッセイ・コミックにはひとつの危ない傾向があります。結婚相談所や婚活サイトで出会った相手へすら「ビビっときた」「初対面でこの人と結婚すると分かった」などなど、運命の恋をプッシュした物語が多いのです。

期待して購入した本にがっかりする美女

読者ウケを狙った結果、婚活の成功例が偏っている

もちろん、執筆されている著者は「運命の恋だけが真実だ」と啓蒙したいわけではないでしょう。むしろ編集者の意向かもしれません。婚活から成婚したブログを並べて書籍化の声をかけようか悩み「男性5人をExcelの表にまとめて比較し、冷静にAさんを選びました……か。ちょっとコミックエッセイにしたとき、共感を得られないよねぇ……」と候補から外しているのかもしれません。

冷静な分析による結婚より、ドキドキする婚活の方が恋愛至上主義に頭の上まで浸かった我らアラサー世代には理解しやすいでしょう。世代のヒット作を見てもセーラームーンは前世からの繋がりで結ばれていたし、ふしぎ遊戯は次元を超えた愛を見せてきました。どこに「A君もB君もありだけど、A君の方が情緒も安定してて趣味も同じだから結婚しよ」なんてアニメやドラマがあったでしょうか。

すぐビビっとくる人は、単に性欲が湧きやすいだけでは?

でも、現実にはビビっときやすい人もいれば、一生こない人もいます。そしてビビっときやすい人が幸せな結婚をできるとは限りません。ビビっときやすい、つまり恋多き人は結婚してからも恋愛体質が抜けず不倫沼で地獄を見るリスクだってあります。ビビっときやすいなら、それだけ性欲が湧きやすいわけですからアラフォーになってみんなが枯れたころ「まだセックスしたい」と苦しむかもしれません。

ビビっと来やすい人の方が勢いで結婚できるかもしれません、が、来ない自分を責めたり「ビビっと来た人と結婚したいから」と受け身でいたり必要はありません。居心地がいい、条件がピッタリ、そんな理由で結婚して幸せな夫婦もこの世にはごまんといます。そして、愛はそんな二人からも生まれるものです。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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