がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 44
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。誰かの波乱万丈な一生をテレビで見たりすると「私なんて、つらいって言っちゃいけないよな」と振り返ることがあるかもしれません。私はたまに毒親問題についてブログを書きます。そうするとコメント欄に「私なんかが毒親持ちって言っちゃだめですよね」なんてあったりして、胸がぎゅっと締め付けられます。

元気な時に「もっと大変な人もいるんだから頑張ろう」と思うのは健全です。心理学的には自分より不幸な人を見てほっとするのもストレス発散に繋がるそう。だから「よかった私がこうじゃなくて」と思ったっていい。本人に伝えたら傷つくかもしれませんが、考える分には自由です。

マンガを読みながらテレビのニュースが気になる週末美女

つらいときに「私はつらくない」と否定したって、やっぱりつらいじゃん

だから、あなたも同じルールで自分を縛る必要はありません。自分より不幸な人がいようが、何ならその人にすぐ助けが必要だろうがあなたのつらさはあなたのつらさです。目の前に交通事故でぶっ倒れてる人がいたとしても、あなたがすっ転んでできた切り傷が楽になるわけじゃありません。

「自分史上最高のつらさ」を頑張っている自分を褒めよう

何より、私たちは人へ共感や同情こそできるけれど、痛みを代わってあげることはできません。感じられるのは自分の痛み、つらさだけです。ですからあなたが比較できるのは「これまでに人生で一番つらかったこと」という自分史だけ。

もし今あなたが自分史上最高につらいなら、それに耐えているあなたは自分史上最高にえらい。その自分をめちゃくちゃに抱きしめてあげられるのは自分だけです。「私なんて」と思ったら、少しストップして「いやいや、私史上で言えばこのつらさは……」と過去と比較してみましょう。

きっと私もあなたも「世界つらさコンテスト」で優勝したいわけじゃない。今日つらいと思っているあなたは、今日を一生懸命頑張ったあなたです。本当によくがんばりました。さあ、もっと自分を甘やかしてください。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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