がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 43
著/トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。私には10歳前後の甥っ子がいてたまに遊んだりするんですが、その子が遊んでいるようすを観察してみると面白いことが分かります。思いっきり遠くまで走り出してから、チラッと親の方を振り返るのです。遊びに夢中になりすぎると親とはぐれてしまうことを知っているからでしょう。

そういえば私が幼かったころを思い出しても「たーのしー!! あれ、大人がいない?」と焦ったことは一度や二度ではありません。子供は無意識に自分が見守られている範囲をチェックして、親元から離れないように努力しているのです。失敗して迷子になる経験も重ね「親を見失わない距離」を見つけるのでしょう。

「ぷー」っとシャボン玉を吹く子供

自信の身につけ方は、大人も子供も同じ

また、2歳と10歳では行動範囲が明らかに変わります。2歳児は視界から親が消えただけで「あれっ!?」と焦りますが、多くの10歳児は親戚のお家に一人でお泊りもできます。「少しくらい離れていても親が迎えに来てくれるから、遠くへ行っても安全だ」と安心できているのです。

ちょっと冒険してから振り返って安全なことを確認し、さらにもう少しだけ遠くへ行ってみる。そして「もっと遠くへ行けるぞ」という自信を身につける。実はこのやり方、大人にも通用するんじゃないでしょうか。

仕事で成功を収めている方の習慣を伺うと、ある共通点が浮かび上がります。「前より成長できたところを積極的に見つけている」のです。ある大企業のマネージャーは、3ヶ月に1度「自己啓発書をいつか出版するつもり」になって学んだことをリストアップしていました。たまにリストを振り返って、自分がどこまで成長したか実感できるようにしているそうです。

ダラダラ過ごすことだって「前進」になる

自分が過ごした数か月を振り返って「進んだな」と自分を褒め、そして次の冒険へ出かける。決して偉業を達成する必要はありません。繰り返しに思える日々で発見したことをメモするだけでいい。

たとえばダラダラしている週末だって「昼に寝ると夜よりぐっすり眠れない」とか「自分の最適な睡眠時間は9時間だ」といった発見がある。それらをメモすれば「前進できたこと」として記録に残ります。そして今週も寝てばかりだったと後悔するはずの週末も前進した経験に変わるのです。

「会議のメモ、こうしたらもっと取りやすいかも」「通勤ルートにこんな裏道があったんだ」といった冒険は、メモしないと自分が達成したことを忘れてしまうもの。日ごろから自信を持ちたいなら、まずは過去3ヶ月を振り返って「頑張ってるな、私」と得たものを褒めてみてください。

トイアンナとは?
人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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