がんばってきたあなたへ贈るトイアンナの「生きづらさ」診療所 42

こんにちは、トイアンナです。日本って生きづらいですねえ。といっても私が住んでいるイギリスがハチャメチャ生きやすいこの世の天国ってわけじゃないですが、イジメが教育委員会でなかったことにされたニュースを見たときや、女性誌で『おばさんになりたくない!アラフォー女子のコーデ術』なんて見出しを目にしては、子供から大人まで生きづらいねえ……としみじみしちゃいます。

イギリスの生きづらさは「税金高い。人種差別される」といったストレートに怒りを抱ける生きづらさなのですが、日本の生きづらさは誰に怒っていいのかも分からない社会のプレッシャーが大きい。

シャーと叫ぶオス猫(スコティッシュフォールド)

社会のプレッシャーを内面化させると、生きづらくなる

やっかいなのは、こういうストレスは徐々に蓄積することです。イギリスで人種差別をされたら、警察を呼ぶなり人権団体へ訴えるなり「その相手」へ怒って終わりです。しかし雑誌に書いてある「〇歳になったら絶対やりたいアンチエイジング」といった生きづらさには憤る相手がいません。相手がいない怒りは発散しづらいので、「そんなものかな」と影響されかねません。

「いつの間にか体重40kg台前半を痩せではなく普通だと感じるようになった」
「母としても妻としても完璧で、しかも仕事でも活躍しないといけない気がする」
なんて社会の欲求を内面化してしまえば「そうなれない私が悪いんだ」と生きづらさが増します

あるいは「これくらいできて当然でしょ」とプレッシャーへ従わない人へ怒りを抱いてしまうこともあります。仕事が忙しくて家事が回らない人を「妻として失格」と思ってしまったり、逆に子供が熱を出したからと早退する同僚をうとましく感じてしまったり。自分か他人、責めるのがどちらにせよ、気づかぬ間に内面化された社会からのプレッシャーが生きづらさの源です。
 
違和感を抱いた瞬間に「バーカ!」と発散しよう

自分や人を責めないためにも、社会から変なプレッシャーを感じたらすぐ発散しましょう。カラオケで「何が脱オバサンファッションじゃ!子供から見りゃ30歳以上は全員おばさんだわ!」とシャウトしてもいいですし、友達と「見てこの記事、ないよね~」と盛り上がってスッキリしてもいい。

「ん?」と気になったらそのモヤっとした感情を無視せず、小さく発散していきましょう。自分の違和感を無視しなければ、社会のプレッシャーを取り込んで苦しむこともありません。「なんじゃこりゃ?」という心の声を大切にして、生きやすさを確保してください。



トイアンナとは?
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人気コラムニスト, ライター。ブログ『外資系OLのぐだぐだ』をはじめ、 人の生きざまを分析する文章でファンを獲得し月間50万PVを記録。
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